司法試験と予備試験の通算不合格回数1位

旧司法試験と予備試験を通算して24回不合格、大全集太郎のブログ。

いまさら再現 令和2年 司法試験予備試験論文 憲法(A評価)

A評価だった憲法の再現です。
答案構成に毛が生えた程度の再現で、不完全ですが、だいたいこんな内容で書きました。
 
第1 保護範囲
 報道の自由は、表現の自由憲法21条1項)に含まれる。取材の自由は、報道の自由の前提。現代社会は受け手と送り手が分離、受け手の知る自由に資する。
→取材の自由は権利として保障される。
 なお、判例は「取材の自由は尊重に値する」として権利であることを明言していないが、重要性から権利であると解する。
第2 制約
 同意の取り付け困難。萎縮効果大きい。事件の真相の解明不可能になる。→制約あり。
第3 正当化
1 確かに、取材対象者の私生活の平穏の確保との対立。しかし、自己実現、報道で事件の真相が分かれば民主政に資するので自己統治の価値があり、めっちゃ重要な権利。制約大きい。
 厳格な基準。①目的が必要不可欠か、②目的達成手段が必要最小限かで、違憲性を判断する。
 なお、裁判所のビデオテープ提出命令の事件で判例は比較衡量で判断したが、適用違憲の事例であった。本件は法令違憲の事案であるため採用できない。
2 ①目的
 立法事実から、取材対象者の私生活の平穏の確保、プライバシー、必要不可欠。
3 ②手段
 比例原則(13条参照)に反する(命令違反者に対する処罰は手段として重すぎる)。
 取材関係者には個人のジャーナリスト等も含まれるが、有名な大手報道機関は容易に同意を取り付けられるが、無名な個人は同意を取り付けるのが困難。不合理な同一取り扱いとなり不平等である(14条1項参照)。
 取材等の回数を制限したり、一度拒否されたら制限される等の方法も考えられる。
 したがって、必要最小限度と言えない。
4 以上より、本件立法による取材活動の制限は、取材活動の自由(表現の自由)を侵害し、本件立法は違憲である。
以上
 
平成21年の旧司法試験第1問と類似した問題です。ただし、処分違憲の問題だったので、違いを意識して書いています。
また、判例との比較をしっかり指摘しているのが評価されたのではないでしょうか。