司法試験と予備試験の通算不合格回数1位

旧司法試験と予備試験を通算して24回不合格、大全集太郎のブログ。

いまさら再現 令和2年 司法試験予備試験論文 教養(B評価)

第1 設問1
 クレオンは、ポリュネイケスの遺骸については埋葬を禁止されているのを承知の上で砂をかけて埋葬代わりとし、王の掟を犯したと主張する。これに対し、アンティネゴは、兄が死んで亡骸を野晒しのまま放っておいてはいけないというのが、神々の掟である。王の掟で、神々の掟は覆せない(神々の掟が王の掟に優越する)と主張する。これに対し、クレオンは、王の掟を踏み躙った上、不遜の思いで、それを誇り、いい気になっているだけと反論する。これに対し、アンティネゴは、兄を葬って、神の掟に従うことは大きな誇りであると再反論する。
第2 設問2
 この論争において、王の掟に反しても、神の掟に反していなければ、許されるかが対立軸である。つまり、王の掟と神の掟の優劣が問題となる。これは、今日における憲法と法律の関係に似ている。例えば、裁判所が報道機関に対してビデオテープの提出命令をした事件がある。報道機関は、取材・報道の自由表現の自由憲法に基づく。裁判所の命令は刑事訴訟法に基づく。表現の自由の根拠たる憲法の方が法律に優越するから、裁判所の命令に従う必要はないと主張する。すなわち、憲法対法律の関係である。これに対し、裁判所は、命令は裁判の公平という憲法上の要請に基づくものであると反論する。すなわち、憲法憲法の関係である。なお、論争では、クレオンが、神の掟対神の掟を対立軸にしていない点が異なる。
以上
 
設問1は、両者にガンガンディベートさせて、分かりやすく対立させれば良いと思いました。
設問2は、具体例で、最初、テロリストの確信犯を書こうと思ったが、宗教の話を宗教で例えるのは無粋かなと思ってやめた(食レポで魚食べて、「鳥肉みたいな味ですね」というようなもの?)。そこで、午前の憲法問題で出た判例をそのまま使いました。